中古車購入で後悔しない!板金工場が教える“外装チェック”のポイント

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はじめに:中古車選びで一番多い後悔とは

中古車を購入したあとに「こんなはずじゃなかった…」と感じる方は少なくありません。多くの人が後悔する理由のひとつが「外装の見極め不足」です。見た目がきれいでも、再塗装や修復歴を隠した車も存在します。

私たち鈑金工場では、日々数多くの修理車を扱う中で「外装チェックの重要性」を痛感しています。この記事では、鈑金・塗装のプロが実際に中古車販売店の現場でも活用しているチェック方法を、わかりやすく解説します。

外装チェックが重要な理由

中古車販売の現場では、車両の状態を見極めることが「価格以上の価値」を得る第一歩です。
特に外装は、車の印象やリセールバリューに直結します。

見積書

その反面、外装チェックを怠ると、次のようなリスクがあります。

  1. 購入後に再塗装・修理費用が発生する
  2. 一見きれいでも事故修復歴が見つかる
  3. 錆び・ヘコミが進行して車体が痛む

つまり、外装の状態を正しく判断できるかどうかで“いい中古車”に出会える可能性が変わるのです。

第一のポイント:ボディ塗装の状態を見る

中古車を見分けるうえで最初に注目すべきは「塗装の状態」です。
専門的な知識がなくても、次のポイントに注意すれば、再塗装車をある程度見抜けます。

1. 色ムラや艶の不自然さ

ボンネットやドアの一部だけ艶が強かったり、色味がわずかに異なったりする場合、再塗装の可能性があります。
太陽の下で車全体を斜めから見ると、色のなじみが分かりやすいです。

2. 塗膜の“段差”をチェック

ボディの角やモール部分を触ると、段になっていたり、ざらつきを感じることがあります。これはマスキングして再塗装した痕跡かもしれません。

3. 塗装面の細かなゴミや泡

プロの塗装でも塗装ブースの環境によっては微細な気泡が入ることがあります。ゴミ跡や塗りムラが複数見られる場合、修復歴を疑ってもよいでしょう。

これらの見分け方を覚えておくだけでも、中古車販売店で見る目が格段に変わります。

もし、上記のチェックポイントで少しでも違和感や気になる部分を発見した場合は、修復歴や塗装歴などについてスタッフに詳しく説明を受けましょう。

※私の知人で、展示車両の塗装歴について店員に確認した際に「書類がないので分かりません」と言われたというケースがありましたが、プロの鈑金塗装工であれば書類がなくても修復・塗装の具合は判断出来るはずです。

第二のポイント:パネルの隙間・立て付けを確認する

事故歴を隠して販売されている中古車は、ボディパネルのズレで見抜けるケースが多いです。

ドア、フェンダー、ボンネットなどの隙間幅が左右で違っている場合は要注意です。再組付けや修復作業の痕跡である可能性があります。

車のボンネットを開けて確認する様子

また、次のような兆候も見逃さないようにしましょう:

  1. ドアを閉めたときに“カチッ”と均一に閉まらない
  2. パネルの境目に不自然な段差
  3. フロントフェンダーやリアゲートのボルト頭にドライバー跡

板金工場では、これらをチェックして修復歴の有無を判断しています。購入前に同じ視点を持つことで「事故車なのに格安」というワナを回避できます。

第三のポイント:サビ・腐食の場所を見逃すな

中古車販売店では、塗装で一時的にサビを隠している場合もあります。
特に注意すべきなのは以下の部位です。

  1. ドア下、ステップ部分
  2. トランクの縁
  3. ホイールアーチ(フェンダー内側)
  4. ボンネットの端
  5. フロア下(ジャッキアップポイント周辺)

表面に小さな点サビが見える場合、その下では進行しているケースも少なくありません。
鉄粉除去剤などのケアだけでは防げないため、錆止め処理や再塗装が必要になることもあります。

車の錆

サビを放置すると、強度低下や塗装剥がれだけでなく、車検にも影響します。
フレーム(骨格部分)が錆びていると車検に通らない場合もあります。
鈑金工場としても「サビの早期発見」は重要視しています。

第四のポイント:ヘコミ・補修痕を触って確かめる

光の反射で見ると、ボディ表面の歪みがわかりやすくなります。
とくにドアやフェンダーなど広い面は、正面からではなく斜め45度から確認しましょう。

また、手のひらで軽くなでるようにすると、見た目ではわからない微妙な凸凹を感じ取れます。これは鈑金補修後の「パテ処理」の跡かもしれません。

最近ではパテの上から高品質な塗装をしている中古車も多く、一見すると新品同様に見えます。
しかし時間が経つと塗装の沈みやひび割れが出るため、購入前にしっかり見極めることが大切です。

第五のポイント:ガラス・ライトの状態も侮れない

中古車販売で軽視されがちですが、ガラス・ライトも注意ポイントです。

ヘッドライト磨きの様子
  1. ヘッドライト:黄ばみやくすみは紫外線や経年劣化によるもの。透明度が下がると夜間視認性も悪化します。
  2. フロントガラス:飛び石跡やクラックは板金工場でよく修理依頼の多い部分。放置するとヒビが広がります。
  3. リアガラス・サイドガラス:後付けフィルムの浮きや気泡も品質の目安になります。

これらのパーツは総額で数万円〜十数万円の修理費につながるため、あらかじめチェックすることでコストの見通しが立ちます。

中古車販売店での実践チェックリスト

短時間で中古車の外装を見極めるための実践チェックポイントを整理します。展示場や販売店で確認する際に役立つでしょう。

車をチェックする様子
  1. 車体全体を日光下で斜めから見る
  2. ボディの隙間(ドア・ボンネット)を左右で比較
  3. 下回りにサビや塗装のはがれがないか
  4. ライトやガラスの透明度・ひびを確認
  5. ボルト・ネジに工具跡があるか

このリストを意識するだけで、外装トラブルを見逃す確率が大幅に減ります。特に板金工場が併設された中古車販売店なら、修復歴や塗装状態を直接確認してもらうことも可能です。

鈑金工場だからこそ伝えたい“現場のリアル”

鈑金工場では、日々「中古車で買ったばかりなのに修理が必要になった」という相談を受けます。
多くのケースでは、購入時に外装チェックが十分でなかったり、販売店任せにしてしまったりすることが原因です。

しかし少しの知識と観察力で、そのリスクは確実に減らせます。
販売スタッフの説明だけに頼らず、自分の目と感触で判断することが重要なのです。

まとめ:外装チェックは“賢い中古車購入”の第一歩

中古車選びでは、走行距離や年式だけでなく、「外装状態」をしっかり見極めることが長く快適に乗るための基本です。

鈑金工場のプロとして言えるのは、小さな違和感を見逃さない人ほど、中古車購入で後悔しないということです。
外装チェックを丁寧に行えば、「安くて状態の良い車」を購入できる確率がぐっと上がります。

中古車販売の現場でも、塗装・サビ・パネルのズレを意識的に見るだけで、思わぬ掘り出し物に出会えることも少なくありません。

中古車は「見た目が9割」。
そして、その見た目を正しく判断できる目を養うことが、後悔しない中古車購入への最短ルートです。

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