国内全てのカーオーナーの悩みの種、それは車検ではないでしょうか。
自家用乗用車は新車から3年、その後は2年に1回のサイクルで車検を受けなければいけません。
走行距離や使用頻度に関わらず、例え車を使っていなくても、車検は受けなければいけません。
もちろん車の修理が必要なくても車検は受けなければいけません。
(運行せずに飾っておくだけなら別ですが…)
今回はそんな車検を賢く受けるために注意すべきポイントを解説します。
目次
どこで車検を受けるか
車検業社の種類
車検を受けることができる業者(お店)は大きく分けると6種類あります。
- ディーラー
- 整備工場
- 車販売店
- ガソリンスタンド
- カー用品店
- その他
それぞれにメリットやデメリットがありますが、車検の費用を抑えるという点で考えると、選択肢は絞れてきます。
それぞれ説明します。
ディーラー
各販売ディーラーで車検を受けることができます。ディーラーから新車を購入した方は、その流れで車検もディーラーに任せるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに車検はディーラーに任せるのが最も信頼性が高いです。
トヨタの車はトヨタディーラー、ホンダの車はホンダディーラーが最も車への知識・技術を持っています。ディーラー内だけの整備研修などによって、他の整備工場ではなかなか知り得ないような情報が周知されていることもあります。
車検後の整備(不具合の修理など)の内容によってはディーラーでないと対応できない場合もあります。
ただし、費用は他と比較して高いです。
車検の基本料金だけでなく、工賃も高めに設定されており、部品も純正部品を使用することが多いため高額になりがちです。
信頼性を優先させる場合はディーラー一択ですが、価格を優先させたい場合は他の選択肢に任せる方が良いでしょう。
整備工場
ディーラーではない自動車整備工場では広く車検を受け付けており、他の業者と比較しても車検の費用は抑えられています。
その理由は、整備工場にとって車検はお客様の「入口」となる商品だからです。
車検をきっかけに整備工場の顧客となって頂き、車検以外の商品・サービスを購入してもらうことを営業目的に据えている整備工場は多いです。
その場合、車検は利益優先で考えず、価格を抑えることに注力します。
また、ディーラーとは違って純正部品だけでなく社外部品やリビルト部品、中古部品なども広く取り扱っており、部品代も抑えることが可能です。
デメリットというほどではありませんが、各ディーラーと比較するとどうしても各車種の専門知識・技術面で劣ることもあります。
車検はあくまで基本的な車の構造に関わる部分の点検ですので、それほど敏感になる必要はありませんが、場合によってはディーラーでしか対処できないことも起こります。
車検は整備工場で受けて、複雑な整備や修理、ディーラーでしか対応できない部分はディーラーに任せるという使い分けも必要でしょう。
また、出来るだけ多くの台数の車検をこなしている工場を選ぶと良いです。
多くの車種を対応することで専門的な知識・技術が向上して行きますので、それだけ信頼性も高まります。
日本国内には多くの整備工場があります。(コンビニより多い!)
その中から車検を任せる工場を選ぶ基準として「車検台数」は大きな目安の一つです。
車販売店
車の販売を行っている店舗の多くは整備工場もかねています。
特に中古車販売店は販売前に整備作業が発生しますので整備工場が併設していることがほとんどです。
そのため、車販売店の車検費用は一般的な整備工場と変わりません。
前述のように整備工場を選ぶ場合に「車検台数」が一つの目安になりますが、「販売台数」も同様です。
整備工場だけでなく販売店としての実績もしっかり持っている店舗を選ぶと良いでしょう。
その反対に、販売をメインに行っていて整備実績(車検台数)が目立たない販売店は避けた方が良いでしょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも車検を受け付けています。
車検はお客様の「入口」となる商品であるため、ガソリンスタンドの顧客獲得のために車検を受け付けています。
費用も整備工場と同じ程度に抑えられていることがほとんどです。
ただし、整備工場とは違って車検・整備の実績に不安が残ります。
全てのガソリンスタンドに言えることではありませんが、一般的に考えて、ガソリンスタンドの車検実績は整備工場ほど多くないことがあります。
車検以外の整備に関しても同様です。
ガソリンスタンドに車検を任せる場合には、どれくらいの実績があるのか、整備士は何人くらい働いているのかを気にした方が良いでしょう。
カー用品店
カー用品店でも車検を受け付けていることがあります。
考え方はガソリンスタンドと同様です。
車検・整備の実績が多い店舗であれば問題はありませんが、用品の販売にばかり注力していて、車検・整備は片手間で行っているような店舗は避けるべきです。
その他
それ以外にも車検を受ける方法はいくつかあります。
ネット上の大型ショッピングモールや家電量販店などで車検を受けるサービスが増えています。
ポイントの獲得を「売り」にした車検の獲得競争が起こっている状態です。
こういった車検の裏側には契約している整備工場があります。車検を受け付けた店舗・サービスが仲介業者のような役割になり、整備工場へと車検の作業を依頼している訳です。
当然、仲介が挟まることによって車検の費用は上がってしまうことが考えられます。
確かに自分が普段使っている(貯めている)ポイントに還元できることはメリットですが、車検の費用と合算して考えることが大切です。
認証工場と指定工場
認証工場と指定工場には以前記事にもしましたので参照していただけると嬉しいです。
車検を受ける業者が認証工場なのか、指定工場なのかによって車検の費用は大きく変わります。
認証工場に車検を依頼すると、別途費用(代行費用など)が必要になる場合がありますので注意が必要です。
車検は指定工場に依頼するようにしましょう。
車検費用の内訳
多くの車検業者は車検の見積もりを提示・説明をしてくれます。
もし、見積もりの提示や説明もなく請求されるようなことがあれば、次回からは違う業者へ依頼することを勧めます。
ただ、見積もりを見てもピンとこないところがあると思います。
車検の見積もりに記載している費用はどのようなものがあるのかを解説します。
店舗によって記載内容や項目名は異なりますので、車検費用の内訳がどのような種類の費用で構成されているのかを理解すると良いでしょう。
法定費用
法定費用は下記の3つです。
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
- 印紙代
車種(車両重量など)によって金額が一律に定められており車検時には必ず支払わなければなりません。もちろん業者や店舗によって金額が変わることもありません。
基本料金
車検の基本料金です。
整備工場などのHPや看板に「車検料金9,800円」などと謳われている費用はこれです。
一般的に、車種によって車検の基本料金が定められており、店舗によって金額が変わります。
ディーラーで2万〜3万円ほど、整備工場では1万円程度が相場です。
車検時に必ず行う点検作業やそれに伴う細かな消耗品、事務手数料などが含まれています。
整備費用
点検によって整備・修理が必要と判断された場合に別途整備費用が発生します。
例えばタイヤがすり減っていて車検に合格できない場合はタイヤ交換の費用が発生します。
この部分をしっかり説明してくれる業者は信頼できます。
例えば作業必須(作業しないと車検に合格できない)、今すぐには作業しなくても3ヶ月〜半年以内には作業した方が良い、1年以上は作業の必要がないなどの説明です。
説明をしっかりと聞いて作業を依頼する(不要な作業は依頼しない)ことで、車検費用を抑えることも可能です。
また、後述するように部品を選ぶことも費用を抑える上で重要です。
その他の料金
基本的には上記の3つ(法定費用・車検基本料金・整備費用)で車検費用は構成されていますが、上記以外の費用を請求される場合もあります。
(引き取り費用、代行費用など)
もし、見積もりに上記以外の費用が記載されていた場合は、その内容をしっかりと説明を受けるようにしましょう。
部品選び
車検に限ったことではなく、車の修理・整備を受ける際には部品選びによって費用が大きく異なります。
車の部品には大きく4種類ありますので、それぞれのメリット・デメリットを理解しておきましょう。
純正部品(新品)
メーカーの純正部品です。
信頼性は文句ありませんが、察しがつくように費用は最も高いです。
部品によっては純正品しかない場合もあります。
特に新型の車種は部品が刷新されている場合がありますので、発売からしばらくは純正部品以外存在しないことがあります。
社外部品(新品)
新品ではあるものの車のメーカー以外で作られている部品です。
一般的にメーカー純正品よりは安価な傾向にありますが、社外とは言え有名なメーカーのものだと純正品よりも高価になる場合もあります。
信頼できるメーカーのものであれば純正品と遜色ない場合が多いので、純正品より少し安いくらいの部品を選ぶと良いでしょう。
リビルト品
中古品の一種ですが、車から取り外した後に洗浄・修理や消耗品の交換などを施してオーバーホールした状態の部品のことを言います。
他の中古品と違って保証期間が設けられていることが多く、新品よりも安価な割に信頼性も高いです。
とは言え過去に使用されていた部品であることに変わりはありませんので、過去の使用期間や走行距離などの情報をもとに、交換後にどの程度使用できそうかの説明を聞いて判断しましょう。
中古部品
車から取り外してそのままの部品です。
保証期間もないためオススメできませんが、その分安いです。
当たり外れが多く、交換したもののすぐにダメになったということもよくあります。
まとめ
以上のように賢く車検を受けるためのポイントを解説しました。
ポイントは下記の4つです。
- どこで車検を受けるか
- 認証工場と指定工場の違い
- 車検費用の内訳
- 部品選び
車検業者や部品などを適切に選択し、説明を受けることで賢く車検を受けましょう。